
「メガミマガジン」や「娘TYPE」を紐解くまでもなく、2010年夏も、美少女が登場するアニメは百花繚乱状態である。大変賑やかで結構なことだ。
はてさて、そこで『あそびにいくヨ!』である。この作品にも、ご多分に漏れず美少女が大量に登場するわけだが、では、本作ならではの美少女たちの魅力はどんなところにあるのだろうか。ざっくり言ってしまえば、「健康さ」と「清潔感」なのかなー、と筆者は思う次第である。
まずメインヒロインたるところのエリスを見てみよう。おっぱいである。体のラインも露なボディスーツ姿、はたまた裸にYシャツ一枚の姿、どちらをとっても強烈に主張するおっぱい様。どうにもこうにもけしからん。しかし、その揺れ方はちょっと控えめ。このあたりのバランス感覚が絶妙だ。

お尻の描写も同様だ。エリスのお尻は丸い。小さくはないが、引き締まっているという感じでもない、張りのあるヒップ。であるがゆえに丸い。この「丸さ」のおかげで、露出の大きさにもかかわらず、エロスよりも溢れる生命感の方が先に立つ。
こうしたセクシーさに対するバランス感覚、抑制の効いた表現が、彼女のパーソナリティときちんと関連しているあたりがイイ。エリスは無邪気である。そして、ここを誤解してはならないと思うのだが、宇宙からの親善大使であるところの彼女は、とても知的なのだ。ただの天然にあらず。無邪気さと知性のバランスが、エロスと「健康さ」「清潔感」のバランスと近しい。のちのち、話の展開を受けて、このバランスがどのように天秤を傾けるのか。楽しみにして欲しいところ。もちろん、筆者も楽しみだ。
続けて真奈美を見てみよう。パッとみてわかるとおり、サバサバ系美少女であるところの彼女だが、舞台が南国ということで、すらりと伸びた手足を惜しげもなく晒してくれている。ハラショー。エリスの規格外なサイズに圧されてしまっているが、出るところは意外としっかり育っているあたりも、実によろしい。ちょっぴり耳年増で、でも年相応のナイーブなところもある性格と、ルックスから漂う健全なオーラの間で生まれる絶妙なバランスが、彼女の魅力ではなかろうか。
そしてアオイである。スレンダー! 二人のヒロインと対照的な、なめらかなボディラインが草食マインドに火を点ける。アオイといえば"裏の顔"が重要な要素だが、その危険な一面や、幸薄そうな表情には、ほっそりとした体がよく似合う。エリスとはまた違った、漆黒のボディスーツ姿に宿るタナトスと表裏一体のエロスも心を揺さぶる。胸は揺れないけども。そして、序盤において唯一、恋する乙女の表情を見せてくれるのがアオイだ。その意味では、三人のメインヒロインの中で、いちばん筆者たちと同じ「日常」の空気を感じさせるのが彼女。けして、いろいろ大変そうな事情を垣間見せる彼女だが、どす黒い側面を強調しすぎない、あくまで清潔感のあるヒロインとして描かれる。ここもまた巧みなバランス感覚だ。
この他にも、公式サイトをご覧になっていたり、原作を既読の方ならご存知の通り、シリーズが進むにつれて、エリスの仲間であるキャーティアたちをはじめとする、より多くのヒロインたちが登場する。夏の陽射しに抱かれながら、沖縄の風の下でヒロインたちが織り成す、柑橘類の香りのように爽やかな色気を楽しみたいところだ。
前田久(まえだ・ひさし)
82年生。ライター。通称"前Q"。主な執筆媒体に「オトナアニメ」(洋泉社)。
「コミックフラッパー」(メディアファクトリー)でコラム「映画@アニメ」連載中。「ファミ通コミッククリア」(http://www.famitsu.com/comic_clear/)にて『STEINS;GATE 恩讐のブラウニアンモーション』(ストーリー構成を担当)が近日連載開始。